電話しか使わない高齢者に大手キャリアのスマホ利用料金は高すぎる…と感じた方には共感してもらえると思います。
隣町に住む両親が2人ともがんと診断され、お見舞いに駆け付けた時にたまたまスマホの話になりました。
数年前に父ががんになったことから、ちゃんと働けなくなり、収入は年金と母のヘルパーの仕事だけで生活していました。
ところがここにきて、母のがんが発覚し、ヘルパーの仕事もできなくなってしまったことから、毎月の出費をなるべく抑えたいということで、スマホの料金はいくらか聞いたところ、1台5000円ほどで2台で10000円以上払っているとのこと。
スマホの利用状況を聞けば、電話での通話のみ。
ネットは使わず、、、というかインターネットの概念すらわかっていないような感じ。
肝心の通話も基本は固定電話で、たまにスマホでの通話があるくらいということがわかりました。
それしか使わないのに、1台5000円以上というのはあまりにももったいない…
ということで、我が家で数年前から取り入れている中古スマホと格安SIMで毎月のスマホ料金を1台2000円以下にしようと画策しました。
ただ、問題点がひとつだけありました。それは『らくらくスマホしか使ったことがない』ということ。
そこで、普通のスマホを余計な画面やアプリが一切なく、使う機能だけをが表示されるようにした『らくらくスマホ化計画』を思いつき、いろいろ行動に移した結果、1台につき月額約1100円、2台で約2200円というスマホ料金になりました。
その差額、約8000円!年金生活者にとって、8000円はかなり助かる金額です。
ということで、私と同じように電話しか使わない身近な高齢者のスマホ料金を安くしたいと思っている方に、楽天モバイル回線と楽天モバイルオリジナル端末『Rakuten Hand(楽天ハンド)』を使ったらくらくスマホ化の方法を備忘録として残しておきます。
月額費用が安いSIMと中古スマホ
スマホ料金を安くするためにまずは、格安SIMを選ぶことから始めました。
毎月の利用料金を比較すると多くの格安SIMが客寄せパンダとして月額数百円で利用できますが、そのすべてが少ない容量のネット利用を考えたデータSIMで、通話ができるSIMとなると月額1000~2000円といったところ。
通話SIMをいろいろ調べたところ、最も安いのが楽天モバイルでした。
楽天モバイルの通話料金はなんと無料!
これは、アプリを利用することで国内通話のほとんどが無料になるというシステムで、月額料金はネットの利用状況によって変わる変動料金制で980円(税込1078円)~2980円(税込3278円)という安さ。
ネットはスマホが勝手にバックグラウンドで使うくらいで、通話しかしない高齢者なら毎月約1100円ほどで抑えれると思いますから、まさにぴったりな料金設定ということで回線は楽天モバイルに決定しました。
次は端末選びです。
楽天モバイルの端末セットで申し込めば、楽天ポイントなどで還元されるキャンペーンなどもやっていることがあり、端末代が実質無料になることもあります。
しかし、そういったキャンペーンを利用した場合、ポイント還元されるのは数か月先ですので、どうしても最初に端末料金を払わなくてはいけません。
今回は初期費用もなるべく抑えたいですし、通話ができればいいだけなので、中古スマホで十分。
中古スマホと格安SIMで月額費用を安くすることが信条の我が家では、中古スマホを選ぶときの条件が決まっています。
条件①:新しさ
スマホはOSのバージョンによって、使えないアプリなどが出てきますから、とにかく新しいスマホがいいです。
条件②:10000円以内
同じ新しさでも機種によって、スペックや人気で価格が違いますから、とにかくなるべく安いスマホがよくて、予算として10000円以内です。
この条件を基軸として、いろいろ調べて探した結果、楽天モバイルのオリジナル端末『Rakuten Hand(楽天ハンド)P710(4G)SIMフリー』(以下 楽天ハンド)に決定しました。
まずは条件①の新しさですが、楽天ハンドの発売日は2020年12月でこの記事の執筆時点で2年8か月で、10000円以内で買えるの中古スマホとしては格段の新しさでした。
しかも『Rakuten Hand 5G』という5G回線に対応した機種が新しく発売になっていることで、特別に安くなっていたのか?タイミングがよかったのか?新品未使用の端末が9800円(税込10780円)という激安価格だったので即購入しました。
このお得な情報を知ったので、ついでに私たち夫婦も乗り換えることにしました。
といっても、もともと楽天モバイルドコモ回線を使っていたため、それを楽天モバイル楽天回線に変更するだけなので、簡単にできると思っていたのですが、意外と手間取りました。
これは機会があれば、ここで公開したいと思いますが、今回は余談なので割愛します。
楽天モバイルの申し込み
楽天モバイルの支払い方法は『クレジットカード・デビットカード』と『口座振替』のみです。
クレカを持っておらず、今までコンビニ振替で支払っていた両親にとっては面倒な手続きになりそうだったので、私の楽天アカウントで申し込むことにしました。
調べたところ、楽天モバイルでは、ひとつのアカウントとクレカで5回線まで申し込めることが判明しました。
私たちはMNPですが、両親のMNPは名義変更などやはり面倒なことになりそうだったので、電話番号が変わってもいいか?と確認したところ、変わってもいいということで、MNPを2回線、新規電話番号を2回線の合計4回線の申し込みをしました。
楽天モバイルでは、今までのデフォルトだった物理的な『SIMカード』とこれからの主流になりそうなデジタル的な『eSIM(イーシム)』が選べます。
これは端末の対応状況によるのですが、楽天ハンドは、eSIMにしか対応していません。
つまり楽天ハンドを利用する場合、物理的なSIMカードは利用することができませんので、申し込む際には注意が必要になります。
eSIMを選ぶと冊子とチラシが送られてくるだけで、冊子の裏側にQRコードが記載されていて、それを端末で読み込み、表示された指示に従って進めることで、簡単に開通できます。
Rakuten Hand(楽天ハンド)のらくらくスマホ化
次はいよいよ高齢者が使いやすいように楽天ハンドをカスタムする『らくらくスマホ化』です。
楽天ハンドをらくらくスマホ化をするにあたって、まず最初に必要なのはグーグルアカウントです。
楽天ハンドはAndroid端末なので、グーグルアカウントは必須ですし、連絡先や写真を同期するのにも必要になりますが、らくらくスマホを使っている高齢者の両親はもちろんグーグルアカウントはありません。
そこで父用と母用の2つのグーグルアカウントを作成し、まずは今まで使っていたらくらくスマホにグーグルアカウントを設定し、もっとも重要な連絡先を同期しました。
これにより、電話帳などの入力作業をする必要がなく、新しい端末にグーグルアカウントを設定して、同期すれば自動で電話帳に連絡先が登録されます。
写真などは同期してもいいですが、わざわざ同期しなくても解約した端末があれば、いつでも見られますから慌てて同期する必要もありません。
これでもっとも面倒な電話帳の登録ができたので、次はトップ画面のカスタマイズです。
らくらくスマホ化に必要な最低限のアプリは以下の通りです。
らくらくスマホ化するのに必須アプリです。
必要なアプリ8個とよくかける電話3個だけを表示する超シンプルなホームアプリです。
楽天モバイルで通話料を無料にするアプリです。
Rakuten Linkサポーター(非表示で使用)
デフォルトの通話アプリを使用させないためのアプリです。
Rakuten Linkサポーターの設定
初期設定はONになっているのでそのままでOK
詳細設定では通話アプリの選択画面を表示するをOFFにする
ここまでは必須アプリです。
以下は個人的に必要だと思ったアプリです。
自分の電話番号が表示されるアプリです。
高齢者が自分の電話番号を伝えるときは、大概、口頭で言いますから。
ワンタッチでマナーモードを設定できるアプリです。
ワンタッチでマナーモードを解除できるアプリです。
トップ画面に表示する8つのアプリのうち、絶対に必要なのアプリは通話料を無料にするための『Rakuten Link』のみで、あとは使う人が必要なアプリを表示させればいいわけです。
うちの場合、自分の電話番号、マナーモード、マナー解除の3つの新規インストールアプリとカメラ、電卓、グーグルカレンダー、グーグルフォトの4つのプリインストールアプリにしました。
その他の高齢者仕様
その他、楽天ハンド端末を高齢者仕様にする設定は以下の通りに行いました。
①長押しの時間設定
高齢者はタップを長めにしてしまう傾向があるので、長押しの時間を長くする設定をしました。
設定⇒ユーザー補助⇒長押しする時間⇒長め
②文字の大きさ設定
高齢者だけではなく、中高年になるとスマホの文字が小さくて見にくいので、文字と表示のサイズを大きくしました。
設定⇒ユーザー補助⇒文字・表示⇒拡大
③ロック画面なし
初期設定時にロック画面のPINを設定しますが、スマホ決済なども一切関係なく、セキュリティとは無縁ということでロック画面自体不要なので解除します。
設定⇒セキュリティ⇒画面ロック⇒なしに設定
まとめ
ここでは、通話料無料の楽天モバイル回線と楽天モバイルオリジナル端末『Rakuten Hand(楽天ハンド)』でのらくらくスマホ化をご紹介しました。
しかし、楽天モバイルは電波が悪いという評判があるので、地域によっては楽天モバイルでは繋がりにくいということもあるかもしれません。
でも、この方法は他の格安SIMと他の中古スマホでも、十分、応用ができると思います。
ちなみに、私と両親の住む地域では、今のところ、繋がりにくいなどの不便は感じていません。
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