9月になると、多少は過ごしやすい陽気になり、夜風が時折風情を感じるなんてこともあるかと思います。
9月の夜と聞いて思い出すのは十五夜、お月見ですが、皆さんは十五夜ってどんな風に過ごしますか?
だいたいは、お月見のお団子とススキのお飾りをして、秋の夜長に満月を楽しむどちらかというと落ちついた大人向けイベントというイメージがありますよね。
その歴史はとても古く、かつて中国が唐の時代だった頃にその風習が始まったといわれています。
日本でも平安時代には貴族たちが歌などを詠みながらお月見を楽しんでいたそうです。
お供えするものは、すすき、月見団子、里芋、季節の農作物、お神酒などが一般的ですね。
これらのお供えものを月が見えるところに置きます。
お供えする月見団子の数は十五夜の場合は15個で、下から9個、4個、2個と重ねるのが正式な数ですが、簡略して5個にすることもあります。
日本全国で行われる十五夜も実は、地域によって違うんです。
そこで、子供が喜ぶちょっとおもしろい十五夜の風習を2つご紹介しますね。
お月見泥棒
その風習とは、お供えしたお月見団子を子供が盗み食いしても良いというものなんです。
当然お団子の数が減っていたら大人は気がつきますよね。
でもこの日ばかりは大人も気がつかないふりをして、秋の収穫をみんなで祝おうというものなんですって。
この風習は「お月見泥棒」といって、戦前から昭和中期にかけてあったものだそうです。
ばれないようにこっそりお団子を食べるドキドキは子供にとっては堪らないですよね。
親としてもばれていないと思って満足そうな顔をしているわが子を見るとつい顔がにやけてしまいます。
お団子も、子供と一緒に手作りしたらさらに楽しくなりそうです。
ぽんぽんつき
茨城県のある地域では十五夜の「ぽんぽんつき」という子ども行事が行われます。
場所によっては男の子も女の子も参加できる行事ですが、地域によっては、中学生までの男の子だけが参加できる行事で、日が暮れた頃に藁の束をそれぞれ持って地域一軒一軒に豊作を願う為の言葉を言いながら玄関先で藁の束をバッサバッサと叩きつけるということがあります。
その時の掛け声は「大麦、小麦!ほほいのほい!」というような感じです。
そして、子どもたちはお金をもらって違うお宅へ行くという行事です。
子どもたちにとっては嬉しい行事ですね。
この行事は本当に小学生中学生にとってはお小遣い稼ぎになる行事なので、朝から十五夜の日はぽんぽんつき参加を待ちわびている子どもが沢山いたそうです。
十五夜に子どもの大きな掛け声と藁束を叩きつける音が聞こえると、秋を感じるというのも秋の楽しみ方では面白いですよね。
大人だけでゆっくりお酒を飲みながら楽しむお月見もいいですが、今年はいつもより多めにお団子を用意して親子でお月見を楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
コメント