私たちは快適な生活を送るためにさまざまな“物”を買います。
毎日の食事、洋服、家など人の生活の根源となる「衣・食・住」をはじめとして、それに関連する物や便利にする物などから、生活には直接関係ないけど心を豊かにしてくれる趣味の物などありとあらゆる物にお金を使います。
お金を使う=消費活動は今の日本を支えているわけですから、決して悪い事ではありませんが、必要ない物までも買ってしまうのは無駄使い以外の何物でもありませんよね。
特に「限定品」「期間限定」「数量限定」「一品限り」などの文字を見ると「買っておいた方がいいかも」と思ってしまい、必要か否かは関係なくつい買ってしまうという経験をしている方も多いのではないでしょうか?
筆者も限定という文字を見ると「買っておかなきゃ損」という気分になり、つい買ってしまう事もあり、しばらく経ってから必要ないことに気付き「なぜ買ってしまったんだろう…」と後悔することがあります。
では、なぜ「限定」という文字を見ると買いたくなってしまうのでしょうか?
それには日本人特有の国民性から来る消費者心理が関係していると言われています。
外国人に比べて日本人は「限定」という言葉に惹かれる傾向があるようですが、その理由には諸説あります。
例えば「単一民族なので持ち物くらいは人違うものを持ちたいという心理」とか「一週間ほどで散ってしまう桜に惹かれる心理」など日本人ならでは心理が関係していると言われていますが、心理学的に見ると2つの消費者心理が作用していると考えられています。
その2つの消費者心理というのは「希少性の原理」と「心理的反発の原理」です。
ここではこの2つ消費者心理についてご紹介しておきます。
希少性の原理
まずは希少性の原理を簡単に説明します。
私たちが数量限定や期間限定という文字を見た時、最初に思う事は「このチャンスを逃したら買えない」ということではないでしょうか。
これはつまり希少性が高い=価値があると感じることから起こる心理状態です。
貴金属を例に挙げますと「銅」や「鉄」は産出量が多いので、価格も安く必要な時にすぐ手に入ると考えますが「金」や「プラチナ」は産出量が少ないので価格も高く必要な時に手に入らないかもしれません。
そんな時「期間限定」や「数量限定」で普段よりも安く買える今がチャンスと考えてしまい、必要か必要でないかは関係なく、お金を出してしまうということです。
これが「希少性の原理」です。
希少性の原理を利用した販売戦略は、小売店などでは日常的に使われているので、私たち消費者もそのことを念頭に置いておけば「限定」の文字を見ても冷静でいられると思います。
心理的反発の原理
次に心理的反発の原理を簡単に説明します。
希少性の原理で説明した「このチャンスを逃したら買えない」というのは「いつでも買える」という自由を束縛されていることになります。
人は自由を束縛されると「束縛されたくない」という気持ちが働きます。
このチャンスを逃したら買えないですよと言われるといつでも買える自由を束縛されていることになり、物の価値ではなく、そのこと自体に反発したくなる場合があります。
これが「心理的反発の原理」です。
その上「今度いつ買えるかわからない」という気持ちになると「もし必要なければ売ればいいからとりあえず買っておこう」と自分に都合の良い理由をつけて買ってしまうことがあるのです。
まとめ
他にもさまざまな消費者心理があると思いますが、最低でもこの2つの消費者心理を覚えておくことで、限定という文字に心を動かされず、必要な物だけを冷静に見極めることができるようになります。
その結果、大切なお金の無駄使いをしなくて済むようになるのではないかと筆者は思っています。
とはいえ、ショッピング自体、ある程度のストレス発散になりますから、必要ないからと言ってあまり財布のヒモを緩めすぎないのも精神衛生上よろしくないのかもしれませんので、多少の無駄は必要なのかもしれませんね。
コメント